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2022.09.01 公開 | 2023.09.26 更新

乳糖とは?乳糖不耐症になる原因と牛乳アレルギーとの違いを解説

乳糖とは?乳糖不耐症になる原因と牛乳アレルギーとの違いを解説

冷たい牛乳を飲んだ後に、お腹がゴロゴロしたり便がゆるくなったりした経験はありませんか?その原因は、実は2種類考えられることをご存知でしょうか。
それが、「乳糖不耐症」と「牛乳アレルギー」です。どちらも名前だけは聞いたことがあっても、違いまで正しく説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。
今回は、そんな乳糖不耐症と牛乳アレルギーの関係性について解説していきます。

乳糖とは

虫眼鏡とはてな

乳糖とは、文字通り、人間をはじめとする哺乳類の乳に含まれている糖類のことです。
糖類といっても、砂糖ほどの甘さはありません。感じる甘さは、砂糖の1/5程度だと言われています。
牛乳には、砂糖が含まれていないのに、独特の優しい甘みがありますよね。牛乳がほんのり甘いのは、乳糖を含んでいるためなのです。

乳糖の英語名は、「ラクトース」と言います。
構造を見ると、「ガラクトース」と「グルコース」という2つの糖がつながった形をしています。そのため、「二糖類」に分類されます。

そんな乳糖は、私たちの体内でどのような働きを見せるのでしょうか。
主に、乳糖は小腸で分解・吸収されてエネルギー源として利用されています。それだけでなく、ここで分解されなかった乳糖は、腸内細菌のエサとなります。
そして、腸内細菌の働きによって、乳糖から乳酸や酢酸が生成されます。腸内は適度に酸性になり、生成された酸は、有害な細菌の繁殖を抑制します。
つまり、乳糖はエネルギー源として利用されるだけでなく、腸内環境を整えるという役割も担っているのです。
さらに、乳糖はカルシウムやマグネシウム、鉄の吸収を高めることもわかっています。牛乳に含まれるカルシウムの吸収も、乳糖が高めているというわけですね。

乳糖不耐症になる原因

牛乳とお腹を押さえる女性

そんな乳糖が原因で引き起こされてしまうのが、乳糖不耐症です。
有用な働きが多いはずの乳糖が、なぜ体調不良をもたらしてしまうのでしょうか。

乳糖不耐症の原因を探っていきましょう。

ラクターゼの分泌不足

乳糖は、先にも述べたように、小腸で分解されます。このときに働くのが、「ラクターゼ」と呼ばれる酵素です。
乳糖分解酵素であるラクターゼこそが、乳糖不耐症の原因として関与しているのです。

乳糖が消化・分解されるメカニズム

通常、乳糖はラクターゼによってガラクトースとグルコースに分解され、吸収されます。
しかし、ラクターゼの分泌が不十分であると、乳糖は分解されずに小腸に残ってしまいます。残された乳糖は、そのまま腸管を通り抜け、大腸へと移行します。すると、大量に流れ込んだ乳糖が刺激となって、大腸内に有害なガスが発生します。
さらに、浸透圧の関係で、大腸内に余分な水分が流れ込みます。これが、お腹の不快感や下痢など、消化器系症状の原因となります。

簡単に言うと、乳糖不耐症は、乳糖の消化不良を起こしているようなものなのです。子供の頃は牛乳が平気だったのに、大人になってから牛乳を飲むとお腹がゴロゴロするという人も多いのではないでしょうか。
これは、大人になるにつれて、乳糖を分解するラクターゼの分泌が減少していくためです。

赤ちゃんにとって、母乳やミルクは大切な栄養源です。しかし、卒乳すると、私たちはさまざまな食品から栄養を摂取するようになります。
そのため、一般的には徐々にラクターゼの分泌は減っていくのです。また、中には生まれつき体内にラクターゼを持っていないという人もいます。
これを「先天性乳糖不耐症」と言います。発症頻度は極めてまれですが、ゼロではないので注意しましょう。
乳糖不耐症の人が牛乳を飲む場合、刺激を弱めるために温めて飲んだり少量をゆっくり飲んだりすることが効果的であるとされています。
しかし、体質の問題なので、くれぐれも無理はしないでくださいね。

また、最近では「ラクトースフリー」といって、乳糖が含まれていない牛乳も数多く販売されてます。
どうしても牛乳が飲みたいときは、ラクトースフリーの商品を選ぶようにしましょう。

乳糖不耐症と牛乳アレルギーの違いについて

牛乳を飲み、お腹を押さえる女性

乳糖不耐症と混同しやすいのが、牛乳アレルギーです。どちらも、牛乳を飲むことで腹痛や下痢などの症状が出るという共通点があります。
しかし、両者は似たように見えて実体は全く異なるものなので、十分な注意が必要です。それでは、乳糖不耐症と牛乳アレルギーはどのように異なっているのでしょうか。

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牛乳アレルギーは乳タンパク質が原因

まず、大きな違いとなるのが原因物質です。
乳糖不耐症の原因が乳糖であるのに対し、牛乳アレルギーの原因は乳蛋白質です

牛乳アレルギーのメカニズム

通常、牛乳に含まれている蛋白質は、胃腸内で酵素によって分解されます。その後、ポリペプチドを経てアミノ酸にまで分解されてから体内に吸収されていきます。
このとき、人によってはアミノ酸になる前の段階で吸収されてしまうことがあります。特に、腸管が十分に発達していない小児によく見られる現象です。
すると、そのまま腸管を通り抜けて血液中に入り、異物として感知されてしまいます。異物を感知した体内では免疫反応が起こり、ヒスタミンのような化学物質が放出されます。
結果、さまざまなアレルギー症状が引き起こされてしまうのです。

乳糖不耐症が物理的反応であるのに対し、食物アレルギーの一種である牛乳アレルギーは、免疫系を介した化学的反応というわけです。

また、乳糖不耐症と牛乳アレルギーでは、症状も一部異なっています。

乳糖不耐症で見られる症状:腹痛や下痢などの消化器系の症状にとどまります。
牛乳アレルギーの症状:消化器系の症状に加えて、皮膚や呼吸器など、影響は広範囲にわたります。

一般的な食物アレルギーと同様に、蕁麻疹や呼吸困難などを引き起こす恐れがあるので、十分な注意が必要です。

このように、乳糖不耐症と牛乳アレルギーは、根本的にメカニズムから全く異なっているのです。そのため、どちらの症状なのかきちんと把握することが肝心です。

例えば、子供が牛乳アレルギーであるにもかかわらず、親が「我が子は乳糖不耐症だ」と勘違いしていたらどうでしょうか。
「乳糖不耐症であれば少量なら大丈夫だろう」と考え、子供に牛乳を飲ませ続けてしまったとします。
すると、いずれアナフィラキシーのような重篤なアレルギー反応を招いてしまう恐れがあり最悪の場合、食物アレルギーは命の危険にもつながりかねません。

牛乳は料理やお菓子にも使われていることが多いので、注意深く確認しましょう。アレルギー反応の程度は人それぞれであり、少量であっても大事に至る可能性も考えられます。
特に、子供の場合は周囲の大人が適切な知識をもとに守ってあげる必要があります。

アレルギーのある子に牛乳を飲ませてあげたい場合は、あらかじめ原因となるアレルゲンが取り除かれた商品を選びましょう。「牛乳アレルギー対応ミルク」として専用の商品が販売されているので、活用してみてください。

まとめ

牛乳

乳糖不耐症と牛乳アレルギーの関係性について解説しました。似ているようで全く異なる両者なので、混同しないことが何より重要です。
牛乳アレルギーでないのに牛乳を飲むとお腹がゆるくなる人は、乳糖不耐症である可能性があります。牛乳を摂取する際は、体調を観察しながら無理はしないように気をつけましょう。

【出典】
新谷弘実(2008)「胃腸は語る」弘文堂

※記載内容は特定の商品又は酵素食品についての効果効能を保証するものではありません。

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