「プチ断食ってどうやるの?」
「どんな効果が期待できるの?」
美容・健康・ダイエットなどさまざまな効果が期待できるプチ断食ですが、成功させるためには正しいやり方で行わなければなりません。間違った方法ではじめてしまうと、必要な栄養素が欠けてしまい、逆効果になる恐れがあるでしょう。
本記事ではプチ断食の概要やメリット・デメリット、具体的な方法を紹介します。
プチ断食とは?
プチ断食とは短期間の食事制限により、健康やダイエットなどさまざまな効果が期待できる断食のことです。一定の期間、固形物を食べず水分だけで過ごすことで、食べ過ぎの防止や胃腸の休息につながります。
長期間の断食とは異なり、15時間〜3日間という短い期間で行うため、比較的取り組みやすいのが特徴です。
プチ断食で期待できる効果
プチ断食では、以下のような効果が期待できます。
- 胃腸を休められる
- ダイエットにつながる
- 便秘を解消できる
- 免疫機能が活性化する
- 肌質が改善する
一つひとつの効果について、順番に解説していきます。
胃腸を休められる
プチ断食の効果のなかでも特に重要なのが、胃腸を休められるということです。一定期間、固形物の摂取を控えるため、胃腸への負担が軽くなります。
脂っこいものを食べたり食事回数が多すぎたりすると、胃腸は休む間もなく働き続けなければなりません。過度に酷使しすぎると胃腸の蠕動運動が弱くなったり、消化・吸収効率が低下したりする恐れがあるでしょう。
プチ断食により胃腸を休めると、本来の力を発揮できるようになる可能性があります。
ダイエットにつながる
ダイエットを目的としてプチ断食を始める人も少なくありません。断食することでカロリーの摂取量が減るため、体重の減少が期待できます。
また、「食べたい」という気持ちをコントロールできるようになれば、日常的な食べ過ぎや過度な間食を抑制できる可能性もあるでしょう。
便秘を解消できる
プチ断食は便秘の解消にも効果が期待できるでしょう。腸内環境が改善されると善玉菌が増え、老廃物を体外に排出しやすくなるためです。
また、胃腸の回復期間を確保できるため、蠕動運動の改善効果も期待できます。排泄リズムが整った結果、便秘が解消される可能性もあります。
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免疫機能が活性化する
定期的なプチ断食には、免疫機能を活性化する働きもあると考えられています。これはプチ断食中に、細胞が行うオートファジー(自己修復)が促進されるためです。
プチ断食によりオートファジーが活性化すると、老廃物の排泄を促したり、エイジングケアしたりする効果が期待できます。
肌質が改善する
効果的にプチ断食できれば、体内に蓄積されていた老廃物を排出しやすくなるでしょう。老廃物は有害物質を産生し、ニキビや肌荒れの原因になる場合もあります。
ただし、断食しすぎると栄養素が足りなくなり、かえって肌トラブルが深刻化する可能性があるでしょう。日頃からきちんと栄養素を摂取し、食べ過ぎた場合や胃腸を休めたい場合などにプチ断食を実践することが大切です。
プチ断食の3つのやり方・方法
ひとくちにプチ断食といっても、やり方はさまざまです。今回は、一般的に知られている16時間・1日間・3日間のプチ断食について紹介します。
16時間プチ断食
16時間プチ断食には、次のようなメリット・デメリットがあります。
メリット | 断食期間が最も短いため、初心者でも始めやすい |
---|---|
デメリット | 簡単に実践できてしまうため、達成感を得られない |
「16時間は長い」という場合、15時間でも問題ありません。新谷弘実医学博士は15時間の断食を推奨しています。15時間の断食でも、16時間と同じような効果を得られるでしょう。
詳しいメリット・デメリットは以下の記事でも説明しています。
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16時間プチ断食のメリット
6時間プチ断食は最も始めやすいといえるでしょう。1日のうち16時間だけ断食するというものであり、準備期間や回復期間を設ける必要もないとされています。
気軽に始められるため、初心者におすすめです。
16時間プチ断食のデメリット
16時間プチ断食は簡単に実践できてしまうため、達成感を得られない可能性があるでしょう。効果を実感できず、リバウンドしやすくなってしまうこともあります。
1日間プチ断食
1日間プチ断食のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | 16時間プチ断食よりも胃腸を休められる |
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デメリット | 16時間プチ断食よりも時間がかかり、ストレスも感じやすくなる |
1日間プチ断食のメリット
1日間プチ断食の主なメリットは、16時間プチ断食よりも胃腸を休められるという点です。
24時間、食事を控えることで胃腸の中身が空になり、内臓機能の回復につながるでしょう。
胃腸が本来の働きを取り戻した結果、食べ物の消化や吸収効率の向上も期待できます。1日間プチ断食後の食事では、栄養素を効率的に吸収することができるでしょう。
1日間プチ断食のデメリット
1日間プチ断食は16時間プチ断食よりも時間がかかります。準備期間や回復期間が必要になるため、しっかりとスケジュールを組む必要があるでしょう。
また、時間がかかることからストレスを感じやすくなる恐れがあります。
3日間プチ断食
3日間プチ断食には、次のような特徴があります。
メリット | 1日間プチ断食よりさらに胃腸を休めることができるうえに、摂取カロリーを抑えられる |
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デメリット | 過度な断食は逆効果になる |
3日間プチ断食のメリット
3日間プチ断食は1日間プチ断食よりさらに胃腸を休めることができるうえに、摂取カロリーを抑えられます。
3日間集中的に断食することで、摂取カロリーを大きく減らして余分な脂肪を燃焼させられる可能性があるでしょう。
3日間プチ断食のデメリット
3日間プチ断食は、正しいやり方で行わなければ逆効果になる恐れがあります。16時間・1日間よりさらに長い期間で断食を行うため、エネルギー不足による弊害が出やすいのも事実です。
特に若い女性は、次のようなリスクが高くなります。
事前に医師などに相談し、無理のない範囲で断食に取り組みましょう。
16時間プチ断食のやり方・方法
16時間プチ断食のやり方を紹介します。
断食前 | 前日の夕食は18〜19時頃までに済ませる |
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断食中 | 起床後に常温の良い水を飲む(生の野菜や果物を食べる) |
断食後 | 体にやさしい昼食を取る |
一つひとつのステップを着実にこなすことで、16時間の断食でも十分な効果が得られます。各ステップの要点を順番に解説します。
断食前:前日の夕食は18〜19時頃までに済ませる
16時間プチ断食の前日の夕食は、18〜19時頃までに済ませましょう。前日の夕食を早めに済ませて当日の朝食を抜くことで、16時間の断食時間を達成できます。
夕食の時間が遅すぎると、朝食を抜いても十分な断食時間を確保できない場合があります。
いかにして夕食を早く済ませられるかどうかが成功のポイントです。
断食中:起床後に常温の水や果物で水分・栄養補給する
16時間断食の当日は、起床後に常温の水を飲みましょう。普段は朝食時に摂取していた水分が断食中は摂取できず、水分不足に陥ってしまう可能性があるためです。
起床直後は全身が目覚めきっていない状態なので、冷たい水を飲むと内臓に負担がかかる恐れがあります。常温に戻してから飲むように心がけるとよいでしょう。
また、断食中も食物繊維やミネラルなどの栄養素を補給することが大切です。果物や果物をベースに作った酵素生ジュースなどを飲み、栄養素を補給しましょう。
断食後:体にやさしい昼食を取る
16時間プチ断食により内臓を休ませた後は、体にやさしい昼食を取ります。脂っこいものは消化・吸収するのに時間がかかるため、休ませた胃腸に大きな負担がかかるためです。
断食後の胃腸は、良くも悪くも栄養素を吸収しやすい状態であり、不健康なものを食べると体に悪い物質が吸収されやすくなってしまいます。プチ断食の効果を最大限に活かすためにも、和食を中心とした体にやさしい昼食を取りましょう。
1日間プチ断食のやり方・方法
1日間プチ断食は、以下の方法で行うのが一般的です。
断食前 | ファスティングスケジュールを組む |
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断食中 | 水分や運動量に注意する |
断食後 | 果物を食べる |
16時間プチ断食よりも断食時間が長くなります。なるべくストレスをため込まないよう、正しい方法で取り組みましょう。
断食前:ファスティングスケジュールを組む
1日間プチ断食を成功させるためには、ファスティングスケジュールを組むのがポイントです。基本的に、1日間プチ断食では、前後に「準備期間」と「回復期間」を設けることになります。
例えば、4月2日からプチ断食を始める場合、次のようなスケジュールになります。
準備期間(断食に向けて胃腸の状態を整える期間) | 4月1日 |
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断食期間 | 4月2日 |
回復期間(必要な栄養素を補給する期間) | 4月3日 |
仕事やプライベートのことも考えながら、不足の事態にも柔軟に対応できるような計画を立てましょう。
食べるもの、食事の時間帯はもちろんのこと、飲み物や睡眠時間なども決めておくとよいでしょう。ファスティングスケジュールが細かければ細かいほど、より高い達成率が期待できます。
断食中:水分や運動量に注意する
断食中は、水分補給や運動量に注意することが大切です。食事から摂取していた水分やエネルギーを摂取できないことから、水分不足・エネルギー不足に陥りやすい状態にあるためです。
水分不足・エネルギー不足になると、集中力が低下したり、やる気が出なくなったりする可能性があります。1時間に1回は水を飲む、激しい運動はしないなどの工夫が必要です。
断食後:果物を食べる
1日間プチ断食が終わったら、最初の食事では果物を食べましょう。断食後にいきなり普段の食事に戻してしまうと、胃腸への負担が大きくなるためです。
果物は体にやさしく、断食後の回復食としてよく利用されています。断食中に不足しやすいビタミン・ミネラルといった栄養素も補給できるので、複数種類の果物をバランス良く食べるとよいでしょう。
3日間プチ断食のやり方・方法
3日間プチ断食は、以下の手順で行います。
断食前 | 2~3日の準備期間を設ける |
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断食中 | 水や酵素生ジュースで空腹感を満たす |
断食後 | 回復期間を3日程度設ける |
前述の2種類と比べると、断食期間が長いだけに間違った方法で取り組むと悪影響が大きくなりかねません。それぞれのステップについて詳しく解説します。
断食前:2~3日の準備期間を設ける
3日間プチ断食を行う際は、2〜3日の準備期間が必要です。断食期間が長くなる場合には、しっかりと準備期間を設けることが成功のポイントになります。
例えば、次のようなスケジュールを目安にしてください。
準備期間(断食に向けて胃腸の状態を整える期間) | 4月1〜3日 |
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断食期間 | 4月4〜6日 |
回復期間(必要な栄養素を補給する期間) | 4月7〜9日 |
準備期間中は豆類や野菜類、発酵食品などを中心とした、体にやさしい食事を心がけることが大切です。
断食中:水や酵素生ジュースで空腹感を満たす
断食中は、水や酵素生ジュースで空腹感を満たします。固形物はできるだけ控え、しっかり水分を摂取するように心がけると断食効果がより高まるでしょう。
手作りの酵素生ジュースを飲む場合は、3回の食事時間と間食の時間に合わせて1日5回を目安にするのが一般的です。ただし、酵素生ジュースも飲みすぎると断食効果が薄れてしまうため、カロリー摂取量を守ることが大切です。
断食後:回復期間を3日程度設ける
3日間プチ断食が終わったら、3日間の回復期間を設けます。高カロリーの食事は避けて、和食を中心とした体にやさしい食べ物を摂取しましょう。
断食直後は食べたものが消化・吸収されやすい状態となっているため、脂っこいものは控えることをおすすめします。回復期間の食事で失敗すると、リバウンドの原因にもなるため気をつけましょう。
プチ断食を始めよう
プチ断食とは、一定期間、固形物を食べないことで、体の内側からリセットする健康法です。短期間の食事制限により美容・健康・ダイエットなどさまざまな効果が期待できます。
プチ断食のやり方は、16時間・1日間・3日間など断食期間の長さによってさまざまです。断食期間が長くなるほど効果は大きくなるものの、注意点も増えるため正しい方法で行わなければなりません。しっかりとポイントを押さえて、健康的なプチ断食を成功させましょう。
【出典】
新谷弘実(2005)「病気にならない生き方」サンマーク出版
新谷弘実(2008)「図解 病気にならない生き方」サンマーク出版
農林水産省|ダイエット(だいえっと)
厚生労働省|健康的なダイエット:適切な体重管理で、健康づくりをしよう!